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「ま~る」(旧「NPO配りの会」)犯罪を経験した当事者と支援者でつくる自助グループ

ま~る(旧「配りの会」)は、刑務所出所者など犯罪を経験した当事者と、産業カウンセラー、家族相談士、精神保健福祉士、社会福祉士、弁護士などでつくる、自助グループ活動を行っているNPOです。2011年設立、刑務所から社会へ戻る方に寄り添う活動をしています。

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「ライファーズ」鑑賞会@更生保護施設 感想

2015年2月1日、都内の更生保護施設にて「ライファーズ」の鑑賞会を行いました。
シャンプーによるその感想です。

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出張おしゃべり会感想
「こんなまともな出所者が居たんだ!!」  シャンプー

今日の予定は、ま~るのツートップであるゆうこりんと小竹広子さんのみの参加のはずでした。
しかし、昨夜(2015年2月2日)のおしゃべり会では飽き足らない私も急遽参加しました。更生保護施設に踏み込むのは初めてです。
更生保護施設というものは、基本的に仮出所中の人が社会生活に馴れるための中間施設です。私は満期出所でしたので利用しませんでした。

この施設の中は、清掃が行き届いており、病院のような清潔さです。出所者というのは、毎朝15分は居室の隅々まで雑巾で清掃をします。この習慣が生きて続いているからこそこの清潔さが保てているようです。習慣というものは、強制されるものでもなく身についたものです。私自身は15年の受刑生活だったはずなのに掃除の習慣も失ってしまったゆえ、ここの綺麗さが際立っていました。
満期釈放した私でも利用しようと思えば、「更生緊急保護」の制度を利用して、最高1年までは入所できます。似たようなところで「更生施設(一般の方もいる施設)」に入所したのですが、「刑務所に準じた規則正しい時間割」に嫌気がさして一晩で逃げ出したことがあります。
私が感じた「刑務所に準じた規則正しい時間割」って、今思えば、病院、銀行、郵便局、企業。どこでも毎日同じ時間で動く当たり前のことなのですが、出所直後は「無秩序こそが自由」と思い、窮屈に感じました。



さて、それはさておき、「ライファーズ」。この映画は、いつもま~るの「おしゃべり会」に参加するTさんが「人生の目標」として見ています。ライファーズの内容は、リンクを見てください。
ツタヤで借りることができず、DVDを買うと五万円(税抜)します。「上映権付き」で教育目的の上映が許される分、ツタヤでは扱わないみたいです。
そのレア映像を見て、結構泣けます。半数泣きます。
「俺はこいつに家族を殺されたが、こいつも俺の家族だ。こいつを失ったら再び家族を失うことになる。」
こんなセリフに、自分も過去を振り返ってしまいました。定期的に上映したい作品です。

この映画でひと泣き終えたあとは、昼食を食べながらの出張「おしゃべり会」です。
ヒロコさんがサンドイッチを用意してくれました。ローストビーフ、生ハム、ポテトサラダ、ほかたくさんの具材を手巻き寿司のように和気あいあいとパンに挟み込みます。参加人数に比べてボリュームがあり、おかわりまでして満腹です。余ったものがあればこれは持ち帰らねばと思っていたら、いつの間にかなくなりました。最後はゆうこりんの鞄の中かしら? 

私に比べ、ここに留まっている人はマトモです。仮釈放中でいつ刑務所に戻されるかわからない緊張感もあってか、みな真面目です。
皆さん基本的に就職先が決まっていて、さらにその就職先の地方に戻るまでは日雇いで働いている勤勉さです。
「ま~る」の次元さんが入所していた島根あさひのPFI刑務所(正しくは島根あさひ社会復帰促進センター)の後輩(?)もいました。島根ってここは東京都ですよ?さらに就職先は神奈川なんて人もいて、皆さん根っこを張りにくいだろうと思いました。
これは、行刑施設全部に言えることです。北海道で逮捕された者が千葉刑務所に務めたりします。
さらにPFI刑務所は山口県美祢市、栃木県さくら市喜連川、島根県浜田市とずいぶん遠いです。刑が軽く、PFI相当の行刑をする者は山口、栃木、島根で生活しなければならない。基本刑務所内で生活するにしても、就職先の協力雇用主、親族、友人の面会にしても、遠いと不便です。
この、日本縦断の根っこを張らせないことは今の刑務所ではよくあることですが、皆さんこの不便さにご立腹でした。私自身も、地元から遠いところへの服役となったことから、交通費も時間もかかる面会は断りました。15年間、親の顔を見ずに過ごした受刑生活でした。

その不満はさておき、この施設にいた方々は「前科」に囚われず、社会へ復帰していきます。
そこにいたJさんは薬物事犯です。「ダルク(薬物依存症リハビリセンター)に通うより、学生時代からの仲間がいてくれるから地元に帰れる。」と話しました。
「もうこの人は再犯しないだろう」と思えたら寂しいけれどお別れです。私が通ったアルコール依存症の自助グループでは、「12のステッププログラム」を学び、実践していくことにより回復をしていくのですが、この方はプログラムは言葉を必要とせずに回復へのエスカレーターができていたように感じました。

回復共同体をうたう「ま~る」にしてみても、「この施設のニーズが合ってないのでは?」と思っていたのです。たしかにJさんを始めとするホープたちには回復を押し付ける必要がありません。しかし、お互いに視野が広がり、有意義なおしゃべり会になりました。
この施設のスタッフが、この流動するホープたちの流れを整えています。そこには一見目に止まらない意外な事実があったりします。アルコール依存症の患者会でも当事者がスタッフに登用されるように、ここのスタッフにも当事者がいました。
施設の保護司であるKさんも、ある意味当事者です。元刑事部長(元デカ長)です。昔からの職業倫理に対する熱意は強く、前職の刑事であった時の苦い経験を糧に今を生きているように感じました。また、得意のボーリングを施設のイベントとして行えることから、これが私には天職と思えるほどの充実ぶりが伺えました。

人生経験が深い人ほど、聞く話は面白いです。「普通の人」なんていない世の中と思いつつも、平凡な価値観の人の話はつまらない。
悪ぶる話を得意気にする当事者も時々いますが、それは聞いていて不快です。オチが「俺って凄いだろ?」という自慢だからでしょうか。
しかし、ここで見たこと聞いたこと、全てが心地よかったです。それは、社会に復帰する高速道路の流れを見せられたようなもの。スムーズで、合理的で、普通の道より幅があって、危険対策もされている。行き先はそれぞれ違うけど、ここにいた当事者の皆さんが、刑務所の足踏み期間を取り戻せるようなスピードとパワーを感じました。

ゆうこりん、ヒロコさんとわたくしシャンプー。三人で訪ねた更生保護施設の思い出、プライスレスです。

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更生保護施設でのライファーズ観賞会&出張おしゃべり会の感想 小竹広子

このような更生保護施設は、高速道路みたいに、出所した人を、働いて住んで食べる、そしてお金を貯めて出て行く、というルートに乗せてくれる「ステップ」として機能してます。
ただ、それだけで大丈夫かな?というのは、常々感じるところです。みんな、早く早く自立しなきゃ!と急かされていて、犯罪に至ったのはなぜだか、振り返ったり考えたりする余裕はないように感じます。
保護更生施設にしばらく通ってみて感じるのは、更生というのは、教育と同じで、最も必要な人がニーズを感じていないことが多く、その道を通った後でなければ本人にはその必要性がわからないところが、難しさだなということです。
何の強制力もなく、ニーズがないところに、私達が入っていくことはできません。だからこそ、強制力のある矯正施設にいる段階で更生プログラムを始めることが重要だと痛感します。
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